「月収100万円超えの浅草車夫ってほんと!?」
「インバウンドで人力車ドリームだね!?」
そんな声をよく聞きますが、人力車の給料の実態はどうなのか。
現役車夫の僕が、日給0円から15万円まで見てきた”給料のリアル”をお伝えします。

僕は浅草で人力車を引いている現役車夫、Shunです。
給与形態
まずは、給与形態から見ていきましょう。
・完全歩合か、
・時給 (+歩合)か。
完全歩合制
・平均日給レンジ・・・0~3万
・集客が生命線
・勤務時間・接客スタイルも自由度が高い
・すべて自己責任
時給 (+歩合)
・平均日給レンジ・・・1~2万
・勤務時間は固め、接客スタイルも自由度が低い
・安定して稼ぎやすい
僕自身は、最初の3か月は時給で働き、その後1年以上は完全歩合で働いています。
給料リアル
ここからは、完全歩合の場合の給料のリアルを見ていきます。
2024年8月から、2025年9月(現在)まで、1年以上、完全歩合をやって、季節・その日次第で日給0円の日もあれば、チップを含めて5万円超えの日もありました。
僕の場合は、年間で平均すると、日給(5,6時間稼働して)1万円いかないくらいです。
0円で帰った日
今でも忘れられない「日給0円」の日があります。
一人前としてデビューしたての真夏の浅草。熱気の中で、観光客は暑さに顔を歪め、足早に通り過ぎていきました。
周りの他の車夫と営業が被らないようにするためのルールがあるのですが、この日も雷門の裏から影が見えるや否や、われ先に観光客に声をかけていました。
「人力車いかがですか?」
声をかけても、誰も足を止めない。
時折り、目を合わせてくれる観光客もいますが、それでも過ぎていきます。
朝10時から夜7時まで、通り過ぎる人に何百回と声をかけ続けました。
最初は笑顔で、次は声のトーンを変えて。それでも断られる。
断られる回数が増えるごとに、だんだんと声が小さくなり、気持ちが折れそうになっていきます。次第に声をかける回数が減り、気が付くと周りの車夫の声かけを見てばかりいました。
他の車夫は、ちょこちょこ走っているけれど、自分だけ走れない。
日が落ちて提灯に灯りがともるころ、売り上げはゼロ。
財布の中は、朝から食事の分が減っただけです。交通費すらマイナスです。
悔しいというよりも、虚しさが勝ちました。
「何をやっていたんだろう」
「もうやめてしまおうかな」
そんな考えが頭をよぎる帰り道。
0円の日の重さは、単にお金がないという以上に、自分の存在価値を否定されたような気持ちになるものでした。
観光客に駅までの方向を伝えたり、雷門で写真を撮ったり、ときにはごみを拾ったり。今日1日だけ浅草の街のボランティアをしている。自分にそう言い聞かせなければ、続けていくことができない。そう強く思いました。
5万円を頂いた日
一方で、好調な日は嘘のように結果が出ます。
春の観光シーズン、外国人観光客で浅草が賑わったある週末。
朝一番から、多くの観光客が僕の営業で足を止め、話をきいてくれました。まずはお参りをしてご飯を食べたいからと、名刺をたくさん配りましたし、そのまますぐに乗るお客さんもたくさんいらっしゃいました。
乗車が終わると、また新たに、お客さんの方から声をかけられ、すぐにご案内、また終わると次の組。日が沈み始めるころまで、途切れることなく走り続けていました。
暗くなるころに電話が鳴り、朝のうちに営業させてもらったカップルさまで、すぐにご案内しました。
汗で衣装は肌に張り付き、足は棒のように重くなっていたのに、不思議と気力は途切れませんでした。
売り上げを計算すると、頂いたチップを含め、5万円を超えていました。
財布の厚みを感じながら帰る道すがら、0円で終わったあの日のことが思い出されました。
「なぜ結果はこんなにも違うのか?」
その問いが、次の学びに繋がっていきます。
15万円をもらう先輩
私の先輩には、歴代最高クラスの日給を叩いた車夫もいます。
この先輩は正午から夜8時までの8時間、浅草と東京タワーを往復する形で、スカイツリーや銀座などにご家族を案内し、チップも併せて15万超えを頂いていました。
まとめ
まとめると、人力車の給料は”ピンキリ”。
安定を取るなら時給、挑戦して大きく稼ぎたいなら完全歩合。
僕自身は途中から完全歩合を選び、日々0円と5万円の間で揺れ動きながら学んでいます。
もしこれから車夫を目指す方がいるなら、自分に合うやり方を見つけ、思い切り飛び込んでみてください。
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